■ 自作防音室/録音用スタジオの作り方 防音室特集2
このページはネット上で見つけた自作録音スタジオ、防音スタジオボーカルブースを公開している皆さんのページを連載で紹介していこうというものです。
プロの作曲家さんが、自作?と思われるかもしれませんが、防音工事を専門業者に依頼すると大変な金額になります。
しかし何事もあきらめてしまっては、進みません。
丹保さんは、「物事は金をかけるか、時間をかけるかのどちらかである」という、ご自身の精神をこの自作スタジオ完成で教えてくれました。
第2回目の掲載サイトさんは、私のスタジオ製作後に発見した、プロの作曲家 丹保さんのすばらしい自作防音スタジオを紹介させていただきます。
![]() 改造前 |
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作成者の丹保 剛さんにインタビュー協力していただきました!
作者 | 丹保 剛さん |
職業 | 作曲家、アレンジャー、音楽プロデューサー |
尊敬するアーティスト | 新しい流れを築いていったパイオニア達。 マイルス、ハービー・ハンコック、ジミヘン、パット・メセニー、マカース・ミラー、 ピアソラ、デビッド・フォスター、ジャヤム&ルイスなどなど。 |
制作費 | 約100万円、内訳:材料30万、防音2重ドア(ダイケン)20万、 防音サッシ(インプラス+ラミシャット)10万、防音換気扇(ダイケン)10万、職人さんの手間30万 |
楽器 | Roland VariOS,JV-2080,JV-1080,SC-88Pro,SP-808Pro,RD-300s,DR-202,YAMAHASY-77, CBX-K1XG,02-R,AW44-16,KORG TR-Rack,ALESIS D4,E-mu Proteus1/XR,とか色々 と。 |
苦労されたところはどこですか? | 木造住宅の和室ですから、最初はどこから手を付けて良いものかと悩みました。 材料調達のために中古の軽トラも買いましたが、これがナカナカ良くて機材運びにも 大活躍してます! |
ここが自慢 | なるべくホームセンターなどで調達した安価な材料を使いながらも、築26年の在来 住宅としてはかなりの高性能なスタジオになったと思います。 |
これから作成されるかたへのアドバイスをお願いします | 何をどこまで防音する必要があるのか最初に明確にしておきましょう。 ドラムやマーシャル、ゴライアス級の猛獣を飼っている人はそれなりの覚悟が必要かと思いますが、部屋全体を防音した上で中にブースを作るなどすればかなり効果的だと思います。(私も次はブースを作ろうと思っています。) 自分1人では難しい所は無理をせず専門家に任せる事も必要かな、別にスタジオを作る事が最終目標じゃ無いし。 |
丹保さんのサイトから、特に”ここがすごい!”と思った画像と説明を抜粋し紹介させていただきます。!私がえらそうにコメント(青文字)をつけています^^;)
構造はコンパネ+グラスウール+コンパネ+遮音シート+ジプトーン(天井材)の5層構造にしようと考えました。
これだけのモノを天井に張ると相当な重量ですから、根本的に構造から手を付けなければなません。
さすがにここまで凝った天井なので素人には手に余るところがあります。
そこで、以前からおつきあいのある工務店に見積もりを出してもらった所、案外リーズナブルな数字が出ましたので、天井は職人さんに入ってもらう事に方針転換しました。古い天井を構造ごと撤去し、新しい構造を造ったところ。材料は自分でホームセンターに行って調達しました。こんなところでもコスト・ダウンが可能です。
なにもかも自作ではなく、重要なところはプロにお願いすることも大事ですね。もし地震がきて、天井が落ちちゃったら大事な楽器や機材がだいなし!
また、工務店にまかせきりではなく、防音材料の手配など自分でできるところは自分でやるのがさすがですね!
遮音シートに関しては、ヤフオクで業者さんの出品を見つけて買いました。
かなり安く手に入ってホクホクです。遮音テープは大工さんに手配していただきました。
これは、どの程度使うのか判らなかった為お任せしたのですが、何本入っていたかな?
とにかくダンボール入り箱持ってきてもらって、天井、壁、床の工事合わせて残り本でしたから、結構使いますよ。
遮音シートはとにかく重い!扱いにくく人がかりで苦労して貼ってもらいました。これも業務用のホチキスで止めていきます。
壁も下地が出来たところ。板の継ぎ目はコーキングしてあります。
ヤフオクって、遮音シートなんかもあるんですね!知りませんでした。いろんな角度で材料を調達するのは、大変勉強になります。
天井って真っ平らに見えるけど、後で下がって来る事を計算に入れて部屋の真ん中辺を少し上げて造るそうです。
要するにビミョ~にドーム型の構造なんですね。
さ~すが職人!天井は本当に頼んで良かったと思います。
おおっ、これも知りませんでした。参考になりますね!
改造前は、足音どころか話し声も筒抜けでしたが、今は静かすぎて蛍光灯の音がうるさいです。
木造、在来、築26年を考えると、もの凄い効果です。
なんというワクワクするコメント。”蛍光灯の音がうるさい”ってさらっとお書きになってますが・・イイナア。
部屋にはドアもあれば窓もある、さらに和室にはふすまもあれば床の間もあるし、押入もあります。
これら全てを何とかしなければ音は漏れるばかりです。
コンパネを貼ります。
これは石膏ボードでもかまいません。ここで下地処理をしてペイントや壁紙を貼れば普通の壁になります。
元々壁のある所ならこれでも結構防音効果はあると思います。その上に石膏ボードを2重貼りにすれば更に防音効果はあがります。
柱を外して穴が開いたり、コンパネに隙間が出来た時はコーキングできっちり埋めておきます。
私の自作防音スタジオはコスト削減しすぎて、コンパネが4ミリ程度のペラペラしたものを貼り付けたり、隙間をコーキングしていないので、防音効果は今ひとつですね。次回改造時にやってみようと思ってます。
ちょうど実家の保育園が園舎の全面改築の計画が進んでいる時期だっので、ついでに設計士の先生に相談したところとても良い事を教えていただきました。
それは、「スタイロフォーム」と言う素材。硬質の発砲素材(発砲スチロールのみっちり密度の高いようなモノ)で近所のホームセンターでも売っていてとっても安価!これをコンパネの上に敷き詰め、その上に又コンパネを敷きます。
この時、上のコンパネはどこも固定せず、ただただスタイロフォームに乗せるだけです。つまりフローティング構造ですが、これでは床がフワフワしないのか不安ですね。でも、その上にフローリング材を貼るとしっかりするそうです。両面テープは少し高さがあるので、間にあまった遮音シートを敷き、高さを揃えました。
スタイロフォームはカッターナイフで簡単に切れますが、キレイに切らないと隙間ができます。
スタイロフォームは厚みがあるので、真っ直ぐにきるのは割と難しいですね。
鋼尺(スチール製の長いもの)をあてがって、カッターナイフも刃の厚いしっかりしたものがいいみたいです。
今回はスタジオと言うことで、外に面している壁のコンセントは全て外付けにしました。
埋め込みの方がスマートですが、これだけ気を使って壁を作っておきながら、コンセント・ボックスの為に壁に穴を空けるのはいやだったからです。
コンセントのコードは小さな穴から出し、スキマはコーキングで埋めてあります。ジプトーンにしても、石膏ボードにしても音の反射はキツイです。
特に防音が上手く働いていると、音が吸収されずバンバン跳ね返ってきますからビンビン響きます。でも、私はあまり気にしません。
なぜなら商業スタジオならともかく、自宅スタジオの場合はカーテンがあり、機材が入り、本が入り、物がいっぱい入ってきます。これらが吸音材の働きをしてライブな特性がデッドになっていきます。それでも気になる場合にはスタジオでおなじみのSONEXなどの吸音材を貼って残響調節すれば良いのです。
スタジオはその人の使用する用途によって、ライブな空間にするか、デッドな空間にするか変わってくると言うことですね。
参考になりました。
防音チェック
夜中に鳴らして外で聴いても、虫の声や井戸のモーター音、給湯器などの音の方が遥かに大きくて、お隣との境界ではほとんど聞えませんから、問題なく音が出せます。
楽器もドラムやエレキ・ベースのたぐいは所詮無理でしょうが、アコースティックのギター、ピアノとかも結構いけるのではないかと思います。
今度機会があったら又録音してします。
丹保さんのページに行くと、mp3で防音効果を体験できます!
画期的な方法ですね!
これは自作する方が増えるかも。皆さんも是非聴いてみてください!
掲載させていただいた写真や文章はほんの一部。本サイトでは作業工程や防音の構造図など、本気でやろうと思っているかたには、超お薦めです。もっと詳しく知りたい方は丹保さんのHPへGO!
私の知っている限りでは自作スタジオに関するもっとも詳しいサイトさんです。掲載写真は少々加工させていただきました。
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当ページは権利者(丹保さん)の承諾を得ています。この場をお借りし、ご協力いただいた丹保さんにお礼申し上げます。ありがとうございました。
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2018年8月6日 update